かつて厚生労働省は「塩分を控えるための12ヶ条」という指針を作成していました。2018年末時点では、すでにウェブサイトなどで掲載しなくなってしまいましたが、減塩を成功させるためのコツがわかりやすく説明されていました。
以下では、当時の「塩分を控えるための12ヶ条」をそれぞれ紹介します。
醤油や塩は使わずに、だしや新鮮な食材を使うことで薄味になれようとあります。
減塩は、舌を薄味に慣れさせることともいえます。減塩生活をはじめたばかりは薄味で物足りなさを感じることがありますが、人には味覚に対する順応性というものが備わっているのか、1~2週間もすれば舌が薄味に慣れてきます。
舌が薄味になれれば、濃い味、つまり塩分高めの食事に抵抗が生まれるようにもなりますので、自然に食生活が改善されやすくなります。
減塩の基本は、どんな食べ物にどれだけ塩分が含まれているかを把握することです。いざ調べみると、食卓によくあがる漬物や汁物にはとても多くの塩分が含まれていることがわかります。
漬物は食べ過ぎないよう控えるか、自分で作るときには塩抜きしたほうが良いでしょう。
汁物はだしと食材で塩気をおさえ、例えば味噌汁ならさらに減塩味噌を少量使うようにするのがおすすめです。
うどんやそば、ラーメンなどの麺類のスープは、麺が汁を吸ってしまうので、スープ自体薄味で作りましょう。なお、スープを飲み干すのは厳禁です。医師から減塩するよう指導されているのなら、絶対にやめましょう。
料理全体の味付けではなく、食材の表面にだけ塩をふれば、少量で塩っけを感じるので、減塩につながります。
また、塩は調理時には使わないようにし、食べるときに小皿に出して少量つけて食べるようにすると、十分に塩っけを感じられるだけでなく、どれぐらい塩を使ったのかも把握できます。
例えば、醤油やソースは料理に直にかけてしまうと、かけ過ぎたり、どれだけ口に入れたのかわからなくなってしまいます。そのため、直接かけることなく、小皿にとってつけて食べるのが好ましいです。
レモンやすだち、かぼすなどの柑橘類やお酢、唐辛子やコショウ、ハーブや柑橘類の皮、煎ったゴマ、ごま油やオリーブオイルなど、料理の味は風味でカバーできます。
また、風味を加えるだけで、料理は格段においしくなります。減塩=まずい、というわけではありません。
酒のつまみの多くは味が濃いものです。味が濃いものは、たいてい塩分が高いので、酒のつまみは減塩のしがいがあるところと言えるでしょう。
自分で作る場合は塩分をコントロールできますが、市販品を購入する場合は栄養成分表の食塩相当量をしっかり確認すると良いでしょう。
また、締めにお茶漬けを食べる方がいるかと思いますが、市販のお茶漬けの素は塩分が非常に多いので要注意です。
練り物は、概して塩分が多く含まれています。また、ただでさえ塩分が多い練り物に醤油をつけて食べようものなら、塩分の過剰摂取待ったなしですので注意しましょう。
また、ハムやベーコンなどの加工肉も塩分が多く含まれています。そしてパンも実は塩分が少なくなく、パンと一緒にハムやベーコンを食べる習慣がある方は、頻度や量を減らすなり、減塩タイプのものを利用するのが望ましいです。
どんなに減塩食に切り替えても、食べ過ぎてしまえば、元も子もないですね。
食べ過ぎを防ぐには、①ゆっくり食べる、②よく噛んで食べる、③いろいろなものを少しづつ食べる、のが効果的です。
食塩相当量は0gです。
一般消費者向けの加工食品や添加物に対して表示が義務付けられた栄養情報です。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)は基本5項目として必ず表示しなければなりません。健康習慣をつけるには、まず栄養成分表を意識的に見るようにしましょう。
食品に含まれるナトリウムをすべて食塩由来とみなして食塩量に換算した値です。特に高血圧の場合には、食塩相当量に気を付けましょう。現在ではまだナトリウム表記のものもありますが、その場合は「食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)× 2.54 ÷ 1000」で食塩相当量に換算できます。以下にナトリウム量(mg)を入力すれば、食塩相当量が算出されます。