高血圧や腎臓疾患などで、常に減塩を意識している方は多いかと思います。ナトリウム量に目を光らせ、毎日の塩分をできる限り減らそうと努力をしているのではないでしょうか?
体のために、減塩することはとても大切なことです。しかし、減塩することによって、体調を崩してしまったという事例も実際には起きています。
ここでは、減塩しすぎることで、体にどんな影響があるのかを知っておきましょう。
塩分不足で一番懸念されるのは、夏の熱中症です。
最近では熱中症対策として、塩の入ったキャンディーやタブレット、飲料などがたくさん売られていますので、スーパーなどで目にしたことがあるのではないでしょうか。
私たちが日頃行っている減塩ですが、頑張り過ぎてしまうと、真夏の暑さの中で、汗とともに体内の塩分が失われていきます。
こうして引き起こされた熱中症の中でも軽いものでしたら、のどが渇く、尿量が減る、体温が上昇するなどで、すぐに軽快します。しかし、ひどい場合にはめまい、嘔吐、意識消失、けいれんなどで倒れてしまうことがあります。
こうならないためにも、夏場には水分と塩分を適度に補給する必要があります。
とはいえ、意識して塩分を摂ることは、勇気のいることだと思います。ですから、どのような時に塩分の補給が必要かをきちんと知っておきましょう。
まず、熱中症が増えるのは気温が27度を超えた場合です。
塩分を控えたい場合には、暑い時には外へ出ない、室内であればクーラーを利用するのも良い方法です。
年齢を重ねるごとに暑さを感じにくくなります。高齢者が室内で熱中症になってしまうケースは多々ありますので、温度計を置いておき、確認するくせをつけると良いでしょう。
また、汗のかき方によって、塩分の補給が必要な場合と、そうでない場合があります。熱中症になりやすい汗というのは、大量に汗をかいた場合がほとんどです。したがって、日常生活の中で少し汗ばんだ程度では塩分の補給は必要ありません。
ただし、過度に塩分を規制しているような場合では塩分不足がおき、塩分欠乏性の脱水症状をおこすことがあります。
高血圧の塩分摂取目安は一日6グラムですが、これを大きく下回る制限をしている、普段から汗をかきやすい、夏場に大量の汗をかくような作業をする必要がある、といった場合には、夏の暑い時期だけでも食事の中の塩分量を少し増やすことで、予防をすることができます。
また、多くの汗で水分も失われていますから、水分と塩分をセットで補給することが大切です。
減塩中であっても、体が必要としている最低限の塩分があります。それを知っておくことで、毎日を元気に過ごすことができます。上手にバランスを取り、いきいきとした減塩生活を送っていきましょう。
食塩相当量は0gです。
一般消費者向けの加工食品や添加物に対して表示が義務付けられた栄養情報です。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)は基本5項目として必ず表示しなければなりません。健康習慣をつけるには、まず栄養成分表を意識的に見るようにしましょう。
食品に含まれるナトリウムをすべて食塩由来とみなして食塩量に換算した値です。特に高血圧の場合には、食塩相当量に気を付けましょう。現在ではまだナトリウム表記のものもありますが、その場合は「食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)× 2.54 ÷ 1000」で食塩相当量に換算できます。以下にナトリウム量(mg)を入力すれば、食塩相当量が算出されます。