筆者は、妊娠して通院している最中に、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)気味なので、血圧上昇に十分注意するよう医師から言われました。血圧を上げないようにするには、まず減塩(ナトリウムの摂取を控えること)から取り組めばよいとのことでしたが、同時に積極的に血圧を下げる食事療法を指導されました。
食事療法とはいっても難しいものではなく、次のものを日常的に摂取するとよいとのことでした。
たまねぎを食べると血圧が下がるらしく、1/4玉を毎日食べるように指導されました。ただし、熱を加えては効果が薄れてしまうので、生で食べるようにとのことでした。
生たまねぎといったら、真っ先に思い浮かぶのが、サラダなどでおなじみのオニオンスライスでしょうか。オニオンスライスは、しゃきしゃきと歯ごたえが良いですよね。
しかし、血圧を下げる成分はたまねぎの「辛み」にあるらしく、水にさらさないように指導されてしまいました。
生たまねぎは、辛みがあるとたとえスライスしていても食べづらいです。口に辛みが染みわたり、そのうえ強烈な匂いが口の中にずっと残り、不快感でいっぱいになってしまいます。まさに良薬口に苦し。食べ終わったら、よく歯磨きをしておくことをおすすめします。
オニオンスライスは、肉や野菜でつつむと食べやすくなりますが、たまねぎの辛みをごまかすためにソースやドレッシングなどをつけてしまうと、食塩の摂取につながり、本末転倒になってしまいますので、お気をつけください。
私の担当医いわく、かんきつ類の皮には血圧を下げる効果があるそうです。ただし、皮から残存している農薬を摂取してしまってはマズイので、必ず無農薬のものを選ぶように注意されました。特に妊婦の方にしてみれば、残留農薬は怖い存在ですよね。
無農薬の果物は、最近では大きなスーパーであれば購入できますが、それでもあまり多くはないと思います。このようなものは、ネットショッピングであればかんたんに手に入ります。私はいくつかネットショッピングで購入しましたが、だいたいが産地直送でした。
無農薬のかんきつ類を目玉商品にしている業者なんかでは、なんと皮ごと食べられることをアピールしてるではありませんか。蜜漬けなどにすると美味しく食べられるそうですが、今度はカロリーの過剰摂取に注意したいところですね。
私は、無農薬のミカンを皮ごとそのまま食べていましたが、味的にも意外と悪くありません。少なくとも、生たまねぎよりは抵抗なく、そして美味しく食べられます。皮ごと食べると、胃がなんだかスース―します。なんだかわかりませんが、「効いてるんだ!」と都合よく解釈しました。プラシーボですね。
担当医師からは、「かんきつ類」とだけいわれたのでミカンにしましたが、実はミカンだと糖が多いので、妊婦にはあまり向かないとのことでした。妊娠中は血糖値検査がありますしね。
どのかんきつ類を食べるのがよいかは、医師や助産師に相談したり、食べやすさや、無農薬商品の手に入れやすさなどに照らして決めてみてはいかがでしょうか。
クコの実って、あまり普段料理に使いませんよね。杏仁豆腐のうえにちょこんと乗っかっているアレです。 クコの実には血圧を下げる効果があるので、高血圧や妊娠高血圧症候群の方におすすめだそうです。そういえば、漢方薬や薬膳料理によく入っていますよね。
私ははじめ、クコの実をどうやって食べたらよいかわからず、そのまま錠剤を呑むように水で胃に流しこんでいました。それも何だか味気ないので、シリアルと食べてみたらどうだろうと思い、「栄養満点のシリアル + カルシウム満点の牛乳 + 血圧を下げるクコの実」のように摂取していました。
栄養も血圧も考えられた組み合わせで、我ながら完璧だ!とうぬぼれていましたが、これは後ほど医師からやめるように指導されました。なぜなら、シリアルには糖がたくさん入っているから・・・、妊婦は血糖値にも配慮しなければならないのです。
結果的に、クコの実はそのまま牛乳や水で流しこんでいました。でも、消化のことを考えると、本来はしっかり噛んで食べた方がよいかと思います。乾燥したクコの実は、生で食べても、別にまずくはありません。もし料理に使うのなら、スープや酢の物なんかが合いそうですね。
血圧を下げるために指導された方法で、おそらく最も簡単なのがバナナを食べることではないでしょうか。少なくとも、生のたまねぎを食べるよりはハードルが低いと思います。
なぜバナナが血圧を下げる効果があるのかというと、バナナにはカリウムがたくさん含まれているからだそうです。カリウムは、体内の余分なナトリウム(塩は体内に入った後にナトリウムに分解され、ナトリウムが血圧上昇に関係する)を排出してくれるミネラルです。厚生労働省も、高血圧対策にはミネラルをなるべく摂取するよう推奨しています。
バナナ以外の果物にもカリウムは含まれていますが、含有量はバナナがトップクラスです。しかも安くて、いつでも、どこでも手に入るので、最も続けやすい食事療法ではないでしょうか。
もし、バナナが食べ飽きてしまったら、カリウムを多く含む桃やかんきつ類などで代用してみてはいかがでしょうか。
妊婦の方であれば、バナナと牛乳を一緒に食べることで、高血圧対策になると同時に、大切なカルシウムも摂取できるのでおすすめです。
ただ、腎臓の悪い方はカリウムの摂りすぎに注意が必要ですので、まずは医師と相談することをおすすめします。
食塩相当量は0gです。
一般消費者向けの加工食品や添加物に対して表示が義務付けられた栄養情報です。エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量で表示)は基本5項目として必ず表示しなければなりません。健康習慣をつけるには、まず栄養成分表を意識的に見るようにしましょう。
食品に含まれるナトリウムをすべて食塩由来とみなして食塩量に換算した値です。特に高血圧の場合には、食塩相当量に気を付けましょう。現在ではまだナトリウム表記のものもありますが、その場合は「食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)× 2.54 ÷ 1000」で食塩相当量に換算できます。以下にナトリウム量(mg)を入力すれば、食塩相当量が算出されます。